【元気!愛チカラ】 老舗柔道着メーカーの挑戦
09.03.19
地元愛知の元気な企業やお店にスポットを当てる「元気!愛チカラ」。
3月19日は大正時代から続く老舗柔道着メーカーの新たな挑戦です。
激しくつかみ合って技を決める柔道と三河地方に古くから伝わる手筒花火。
この2つの共通点は、着ている服の生地。
柔道着も防火着も丈夫で肌触りのよい刺し子織でできています。
「刺し子」とは布の補強や装飾のため別の糸を細かく刺し縫いする技法で、
通気性や耐熱性にも優れているのが特徴です。
この刺し子織で世界を目指そうというメーカーが豊川市にあります。
三河木綿を使った刺し子織で柔道着を作る大正10年創業の老舗、タネイです。
「これ本当はね、ヒミツなんです。着やすい柔道着でなくてはいけない。
その点を追求していくと、刺し子織りというものを始めた原点に結びついてくる。」
(タネイ 種井美文社長)
タネイの柔道着は学校の授業から国際的な大会まで幅広く使われてきました。
しかし少子化や低価格な外国製品の登場により、ピーク時は
年間6万着を販売していた柔道着も最近では半分に落ち込んでいます。
そこで3代目社長が考案したのは・・・
「今ここにある設備で、今ここにある人員で、他にできるものはないだろうか。
こういう生地があって丈夫で柔らかく、通気性が良くて何かに利用できないか
考えていくとこの生地を使ってバッグを作ってみようと。」(タネイ 種井美文社長)
こうして生まれたのが刺し子織のバッグです。
平織りで厚手の帆布よりも丈夫で柔らかい風合いに仕上がっています。
この会社が初めてバッグを作ったのは4年前。
その後商品の幅を広げていき、中でもこの和風の帽子はインターネットやカタログによる
通信販売で1万3000個が売れたヒット商品にもなりました。
しかし店頭での販売は直営の武道用品店や三河木綿の専門店に限られ、
なかなか認知度が上がっていないのが現状です。
「どういったところに販売していっていいのかなかなかつかめない。」(タネイ 種井美文社長)
そんな種井社長の元をこの日訪ねてきたのが豊橋丸栄の営業担当者です。
先月開催した東三河の伝統工芸を紹介する展示会で、刺し子織の商品が好評だったことから
店頭で正式に販売することを決めました。
「デザインが今風で素材的には伝統に使われているもの。綿製品で
自然にやさしい使い心地も良さそうで、客にも反応がいいと期待。」(豊橋丸栄 林恭吾部長)
客層が限定される武道の専門店からより多くの人の目に留まる百貨店へ・・・
刺し子織に賭けるタネイにとって、初めての本格的な販売です。
「これをメジャーにしたい。ジヤパンブランドとして(海外に)持っていけるような
そういったものにそういったものに育てていきたい。」(タネイ 種井美文社長)
長年培った伝統の技に新たな価値を見出すことで消費者のニーズを掘り起こすことができるのか?
老舗柔道着メーカーの挑戦は地場産業を再生させるひとつのモデルケースとなるかもしれません。
豊橋丸栄の店頭に並ぶのは4月1日からということです。
ちなみに社長がいま試作に取り掛かっているのは刺し子織のジーンズだそうです。