【元気!愛チカラ】 "脱値下げ"で克つ ‐ガソリンスタンドの取り組み‐
09.05.12
不況を背景にスーパーなどでの値下げ競争が加速する中、
あえて値下げをしないことで黒字経営を続けるガソリンスタンドの取り組みを取材しました。
不況を背景に、価格競争が激しさを増すガソリンスタンド。
名古屋市内のレギュラーガソリンの平均価格は115円ですが、
5円以上下回るところも。
「安ければ安いほうがいい」(客インタビュー)
「安いほうがいい」(客インタビュー)
スタンドにとって、1リットルあたりの利益は10年前の半分以下。
廃業に追い込まれる例も少なくありません。
スタンドの3分の2が赤字経営に陥っているといいます。
そんな中、独自の経営で黒字を続けるスタンドが一宮市にあります。
このスタンドが掲げたリッター114円は、特別安い価格ではありません。
「いらっしゃい!」
経営者の中村賢三さんです。
「隣の安値看板に引っ張られて自分のところがすぐそれに
追従するようなことはきょうまでやってきてませんし」 (中村賢三さん)
果たして、黒字の秘策とは・・・。
早朝。中村さんが向かった先は、野菜などを取引する卸売り市場。
お目当ては、、、
「ものもええし」「いくらぐらいする?」(中村さん)
なんとスイカでした。
「やっぱりちょっとね、小さいな。もうちょっと大きいといい」(中村さん)
そこには、熱心に品定めをする中村さんの姿がありました。
さらに、中村さんが手にしたのは、花。
次々と買い付けていきます。
中村さんのスタンドです。
そこには、中村さんが仕入れたばかりの花や野菜、
野菜が所狭しと並べられていました。
早速、お客さんがやってきました。
「これでもいいよ」 ( 客 )
「ガーベラも安いよ」 ( 中村さん )
「給油をしたら必ずお花を見るんですよ。
なんかそれが楽しみでね、ここに来るの」( 客インタビュー )
中には、買い物ついでに給油する人もいるといいます。
「ガソリンスタンドほど買い物が嫌な買い物はない、
だから多少楽しいものをおいて休んでいただこうと」(中村さん)
最近でこそ、コンビニエンスストアなどを併設する
スタンドも増えてきましたが、中村さんは、27年前から多角経営に乗り出していました。
こんな仕掛けも。

すでに給油が終わったお客さんを迎えたのは、喫茶店。
これも中村さんのアイデアです。
お店は中村さんの長女・真由美さんが切り盛りしています。
「1週間に4、5回は来る」 (客)
「10キロくらい走ってきますわ。わざわざ」 (客)
「休む場があるから洗車してもらおうかなと思います」(客)
休んでいる間に洗車。
洗車は、ガソリンと比べて利益率の高い稼ぎ頭です。
そのための、くつろぎスペースにもなっていました。
中には、こんなスペースも・・・。

「(カラオケ)泣きなさい‐、笑いなさい‐」
「他にはないスタンドだと自信を持っていえますから。
がんばっていきたいですね」 (真由美さん)
一連の取り組みで、
27年間赤字を出したことはありません。
「買っていただくんだという気持ちでね、応対して
商売していれば意外とお客様はわかってくれると思う」(中村さん)
一貫して、お客を満足させることを目指してきたという中村さん。
値下げに頼らず、客の心をがっちりと掴んでいます。