報 道

【元気!愛チカラ】 名料理長の新たな挑戦

09.05.21

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木曜日は「元気・愛チカラ」です。

長年務めてきた老舗日本料理店の料理長の座を後進に譲り、
自ら手掛ける店で新たな挑戦をしようという料理人が名古屋にいます。
その姿を追いました。

名古屋のビジネス街、丸の内。
ここに、ある料理人が新たな店をオープンすることを決めました。
川越文雄さん、59歳です。

「私自身いままで料理人をやってきたから、あまり表に出たことがないし
口下手ですから」(川越文雄さん)

宮崎県出身の川越さんは日本料理の老舗「なだ万」の名古屋東急ホテル店で
18年に渡って料理長を務め、これまで育てた弟子は200人以上にのぼります。
2005年の愛知万博では皇族や外国の代表者たちの食事を担当、
「あいちの名工」にも選ばれました。
しかし08年の秋、定年を前に料理長の座を退き、この名古屋の地に骨を埋めたいと
自ら店を手掛けることを決意。
工事中の現場に毎日のように足を運び陣頭指揮をとります。
中でも最もこだわったのが調理場の「かまど」です。

「どこにでもあるというのはおもしろくないし、ここに来たら落ち着くという店にしたい。
これからが第二の人生。常にチャレンジャー。」
(川越文雄さん)

オープン三日前。

かまどの搬入に川越さんを応援する職人たちが集まりました。
こだわりのかまどは、薪で焚く登り窯で焼き上げた信楽焼きです。

「弟子はたくさんいるけど ここ3ヵ月かかりっきり。それくらいやらないと形にならない。」
(かまどを手がけた中川さん)

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長さ2メートル70センチ、重さ300キロを超えるかまど。
一寸の狂いも許されないため、ひとつひとつの作業を慎重に進めます。
設計士や施工の担当者も駆けつけ、客の目線を考えながら
壁の高さの手直しを相談していました。

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「基本は、心が同じ方向に向いていれば絶対いいものができる。」
「ほおっておけない」
(設計を手がけた長谷川さん)

設置開始から7時間。

世界でたったひとつのかまどが完成しました。
蒸し料理と燻製、そしてご飯を炊くかまどです。
鐘形のふたは滑車を使って持ち上げるパフォーマンス付き。
仕上がりを見た川越さんは...

「度肝抜かれる。これで客に満足してもらえれば、作った冥利につきます。」
(川越文雄さん)


迎えたオープン当日。

川越さんの姿は柳橋市場にありました。
旬の味を最大限引き出す方法を頭にめぐらせながら、40年余りの料理人生で
つちかった目を光らせます。

「まだオープンっていう感じもわかない。ただ包丁を握れる喜びだけ」
(川越文雄さん)

店内の準備もようやく整い、自慢の桜の一本木を使ったカウンターもお目見えしました。
ここからは本業の腕の見せ所です。

なだ万から川越さんについて移ってきた弟子たちの間にも張りつめた空気が―

開店30分前、料理の見本が出来上がりました。
味だけでなく、口へ運んだときの食感まで考えられた、
川越さんいわく、"酒のつまみ"です。

そして、午後5時開店、
閉店間際の店を訪ねると...

常連さんに囲まれた川越さんの表情は、笑顔で溢れていました。

「いい店ができたと思うけど、まだ完成じゃないから。」
「僕もまだ完成じゃない。未完成だから夢に向かっていける。
でも仕事ができるのは嬉しい。がんばります!」
(川越文雄さん)

名古屋の和食界をリードする料理人は、まだまだ挑戦を続けます。

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