【元気!愛チカラ】電照菊に強ーい味方
10.05.06
愛知の伝統的な農業の一つに電照菊があります。
生産量は全国一で、その中心地は田原市です。
電照菊の栽培にはこれまで白熱電球が使われてきました。
しかし今、新たな光、LEDが使われ電照菊の価格競争力を
高めようとしています。
田原市にある電照菊のビニールハウスです。
このハウスで使われているのは、白熱電球ではありません。
LED=発光ダイオードです。
青山智行さんは3年前から、LEDを使った電照菊の栽培を始めました。
葬儀用の菊の需要が減ったことと、輸入ものの菊に押され、
生産コストの大幅な削減を強いられたからです。
「今までは安くても1本50円ぐらいで下げ止まっていたが、
今はどんどん下がっていって、1本10円から20円までになっている」
(電照菊農家・青山 智行さん)
LEDは消費電力が白熱電球の15分の1程度と少なく、
寿命も20年から30年と長いのが特徴です。
「電気料金に換算するとすごく安くなっている」
(電照菊農家・青山 智行さん)
農家にLEDを普及させるための研究をしているのが、長久手町にある
愛知県農業総合試験場です。研究の結果、電照菊の栽培には
赤色のLEDが最も適していることが分かりました。
「この色は菊にとって明るく感じるのではないか」
(総括研究員・大石 一史班長)
菊は、赤色のLEDの光をあてると、白熱電球と同じように
開花時期をコントロールできるのです。
しかも電気代が安くてすみます。
Q.色によって違うと?
「より少ないエネルギーで済む」
(総括研究員・大石 一史班長)
大石さんは、まだまだLEDで生産コストを下げる工夫ができるといいます。
白熱電球と違って、フィラメントがないLEDは、長時間にわたって
光を点滅させることができます。点滅によって、消費電力をさらに
下げることができるというわけです。
「白熱電球は100ワットのところをLEDは10ワットで済んでいるが、
色の波長がもっと効果的ならそれが8ワットで済む。
あるいは電照時間も短くできるかもしれない。
今はつけっ放しで使っているが、点滅させるという方法がある。
1秒つけて2秒休んでと繰り返せば、消費電力は3分の1になる」
(総括研究員・大石 一史班長)
電照菊の競争力を高めるLED。ただ普及には課題もあります。
それは初期投資にかかる費用です。
青山さんの場合、当時LEDは1個1万円、初期投資に1億円が必要でした。
「これが1個2,000円台まで下がれば、普及の状況は変わるかも」
(電照菊農家・青山 智行さん)
今後LEDの価格が下がっていけば、愛知の伝統の農業に、
新たな光を照らすのは間違いないようです。