報 道

プラネタリウム″最後の日″

10.09.01



名古屋市科学館のプラネタリウムが半世紀の歴史に幕を閉じました。
その最後の時まで、来場者の心をつかんだのは天文学芸員たちの
生の解説でした。

開館以来48年にわたって星空を映し出してきた名古屋市科学館のプラネタリウム。
施設が老朽化し、ついに役目を終える日がやってきました。

最後の日、天文学芸員たちが顔をそろえました。

「我々としてはいつも通りやりましょう」
(名古屋市科学館・野田 学さん」

名古屋市科学館では、天文学芸員がある仕事を担ってきました。
それは生解説。心地よい語り口で観客を星の世界へといざなう、
星空の語り部です。その生解説も31日が最後。

「きょうでおしまいと理屈でわかっても、自分たちは実感が全然ない」
(名古屋市科学館・服部 完治さん)

最後の生解説を務めるのは最古参の服部完治さんに決まりました。
この日の上映回数は4回、午後4時、いよいよ最後の回です。
客席は満席。服部さん、解説席へと向かいます。

「観客が涙を流す解説がしたい」

48年間、動き続けた投影機が天空に星空を映し出します。
すべての機能を駆使し星空の魅力を伝えていきます。

「星をごらんになる時には、今、宇宙を見ている。
そんなつもりで空を仰いでみて下さい」

いつも必ず言う言葉をこの日も加えました。
そして...

「これでグランドフィナーレ。カール・ツァイス4型(投影機)の
幕を閉じたいと思います」

来場者は
「何度も解説を伺ってまして、いつもすばらしいということで感心しております」
「格調高くてよかったです」

服部さんは、サインを求める観客に取り囲まれていました。

「感無量です」
(名古屋市科学館・服部 完治さん)

服部さんの目に涙が滲んでいるように見えました。
開館から48年、生解説はのべ7万回にも上ります。

感動を伝えるには、録音テープよりも生の言葉。
それが、脈々と受け継がれてきたこだわりであり、
親しまれてきた理由でもあります。

現在、名古屋市科学館では世界最大のプラネタリウムを建設中です。
最新鋭機が導入されますが、人の心をつかむ生解説だけは、
変わることなく引き継がれます。

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